ジェニングス ゴメスのミラクル・セーブ
Check 公式ニュース2009年10月23日
トッテナムのレジェンドで、現役時代はゴールキーパーとして安定した守備と華麗なセービングを披露した元北アイルランド代表のパット・ジェニングスが、ポーツマス戦で相手DFユネス・カブールのフリーキックをセーブしたGKエウレリョ・ゴメスのパフォーマンスを、ワールドカップ1970年大会のブラジル戦でイングランド代表GKゴードン・バンクスがブラジル代表FWペレのシュートを止めた伝説のスーパー・セーブの偉大さに肩を並べるものであると英国流の最大限の評価を与え、讃えている。

スパーズに在籍した1964年から77年の間に673試合の公式戦に出場したパットが『ミラクル・セーブ』と称するゴメスのプレーは、ポーツマス戦の前半の自陣エリア手前のフリーキックから生まれている。トッテナム在籍時にも、威力満点のキック力で弾丸ライナーのシュートを放っていたカブールが狙ったシュートは、ゴメスの守るゴールを正面から見て左隅に向かっていた。しかし、その弾道がエリアに入ったところでポーツマスFWトミー・スミスに当たり、コースがややゴール中央に変わると、その刹那、ゴメスはすでに横っ飛びで重心が向かっているゴール左方向とは逆の方向に左手を伸ばし、その手を何とかボールに当てて弾道をゴール枠内から外している。

その時点で試合はスコアレス。先制ゴールとなっていれば戦局にも大きな影響を与える時間帯であっただけに、アウェイでの勝ち点3獲得に大きく貢献することになったこのスーパー・セーブについて、ワトフォード、スパーズ、アーセナル、そして北アイルランド代表で現役時代通算1000試合以上ゴールマウスを守ったパットは、「まったくアンビリーバブルなセーブだったね。最初にシュートの弾道に向けてきっちりと動いていたが、その後にコースが変わった。すでに最初の弾道にダイビングをしていたにも関わらず、それとは別の方向に腕を伸ばして弾き出してしまうなんて、ありえないセーブだよ。私にとって、あれはまさにブラジル戦のバンクシーのセーブを彷彿とさせるものだった。まさに、ミラクル・セーブだよとコメント。

 



Banks saves from Pele, 1970


 

イングランド代表の歴史上、最高のゴールキーパーの一人に数えられるバンクスの見せたワールドカップ1970メキシコ大会でのブラジル戦のスーパー・セーブ。(写真上)ブラジルが右サイドを深く進み、そこからファーサイドのペレへクロスボール。ペレはファーサイド(向かって左サイド)のゴール隅にヘディングでシュートをすると、バンクスはまずサイドを揺さぶられながらもそのシュートに対応。手前でバウンドし、ボールはバンクスの体の位置を過ぎていたものの、後方にダイビングしながらゴールライン上でこのボールをかき上げ、ほぼ真上に弾き出すことでコーナーキックに逃れている。

現在64歳で、トッテナムでゴールキーピング・コンサルタントの職務を今も担っているパットは、「ポーツマス戦で彼は何度か一流のセーブを見せていたが、これから先に語り継がれるだろうものばかりだ。彼は試合の形勢を左右するような素晴らしいセーブをすることができる。あのセーブもまさにその一つだよね」とゴメスを讃えている。